与党である自由民主党(LDP)は、金銭スキャンダルによって損なわれた信頼を再構築することを目指しており、次期リーダーシップの交代がその後押しになることを期待しています。LDPは9月に新しい党首を選ぶリーダーシップ選挙を実施します。先週、現党首である岸田文雄首相は再選を目指さずに辞任すると発表しました。
党は新しい党首の選出により、新たなスタート感を生かそうとしています。過去には、リーダーシップの交代後にLDP主導の内閣への支持が大幅に改善された例もあります。
岸田首相の突然の辞任発表を受けて、LDPのメンバーは安堵の声を上げ、内閣の支持率が向上するとの見方を示しました。
時事通信の調査データによると、岸田首相の最初の内閣の支持率は2021年の前回LDP党首選挙後に40.3%でした。これは岸田前任者の菅義偉氏の辞任発表直前の支持率よりも11.3ポイント高いものでした。
岸田氏は就任直後に衆議院を解散し、2021年10月に総選挙を実施しました。LDPが苦戦すると予想されていたにもかかわらず、党は261議席の絶対安定多数を獲得しました。
過去の例では、2001年に首相となった小泉純一郎氏が支持率の急上昇を見せました。前任の森喜朗氏の辞任発表後に行われた党首選挙で、小泉氏は「自民党を壊す」と宣言し、元首相の橋本龍太郎氏を含むライバルに圧倒的な勝利を収めました。
小泉氏の特徴的な簡潔なスローガンは大きな反響を呼び、内閣の初期支持率は72.8%に達しました。これは森政権末期の9.6%からの大幅な上昇です。
また、2007年の安倍晋三から福田康夫、2008年の福田から麻生太郎、2020年の安倍から菅義偉への政権交代でもそれぞれ18.6ポイント、15.0ポイント、18.5ポイントの支持率の上昇が見られました。
かつて存在した民主党も同様の改善を経験しました。2010年に鳩山由紀夫から菅直人への政権交代時には22.1ポイントの上昇があり、2011年には菅から野田佳彦への交代時に36.8ポイントの回復がありました。
しかし、LDPが今回も同様の増加を記録するかはまだ分かりません。党の資金問題やその他のスキャンダルは長い影を落とし、多くの人々が2009年の政権交代と状況を比較しています。
今年4月、LDPは下院補欠選挙で全て敗北しました。「党の顔を変えても政治と金の問題が忘れられると思うのは大きな誤りだ」とLDPの中堅議員は語っています。
一方、主な野党である立憲民主党(CDP)は9月23日にリーダーシップ選挙を実施します。現党首の泉健太氏は再選を目指し、元党首の枝野幸男氏も立候補する意向を示しています。いくつかのメンバーは第三の候補者を立てようとしています。
党内では、CDPの選挙よりもLDPのレースに注目が集まることに対する懸念が高まっています。また、CDPの支持率は2021年の前回党首選挙後に5.4%から5.0%に低下しました。
CDPは政策討論を通じて最大の野党としての存在感を拡大するという課題に直面しています。